akibadensan秋葉電算
v0.1.0last reviewed · 2026-05-26
operations研究の方法論

秋葉電算は、AI を長く稼働させるための運用設計を四つの段で構成している。

前提整理 (Grounding)、統合 (Integration)、運用 (Operation)、継承 (Continuity)。この四つを通じて、AI を壊さず、暴走させず、人の主権の側に 置き続ける仕組みを設計する。

各段は完成していない。本ページでは、現時点での実装状況、観察された効果、 未解決の課題を honest に開示する。

前提整理 (Grounding)

AI を稼働させる前に、「何をしてはいけないか」「何を目的とするか」 「どのような判断軸で動くか」を明文化し、AI に与える。

秋葉電算では、AI に最初に与える文書を三つに分けている。

  • 宣言: 研究所の存在理由と運用哲学
  • 禁止事項: AI が絶対に行ってはならない操作の一覧
  • 設計方針: 各案件の仕様、表記の規律、命名規則

これらは事前に文書化され、AI のセッション開始時に必ず読み込まれる。AI はこれを 「行動の基準」として動く。

実証された事例:

  • 「ルールは先に存在していた」(研究記録 OBS-003): 前提文書は新規に設計したものではなく、既に経験的に確立されていた運用の 言語化だった。

未解決の課題:

  • セッション開始時の文書読み込みが自動化されていない (改善検討中)
  • 一部文書の整合性確認の機構が未整備

成熟度: 65% (概念・実装・効果は確立。ただし機構として未自動化な部分が残る)

統合 (Integration)

AI は独立した実行主体ではなく、指示者の運用の中に組み込まれた一機能として動く。

AI の出力を確定する際、内容確認と書き出し許可の二段階に分けている。 これは AI が出力を「提案」し、指示者が「確定」するという二人称的構造を 明示するためである。

統合の段で重要なのは、AI の活動を「既存の運用に新規追加するもの」ではなく、 「既存の運用を言語化し、AI に委任するもの」として設計することである。 秋葉電算の運用ルールは、新規に作られたものではなく、指示者が経験的に確立してきた 作業のしかたを言語化したものに過ぎない。

実証された事例:

  • 「三層が互いの誤判断を打ち消した」(研究記録 OBS-005): 補助 AI の誤検出を、AI 実装者の検証が打ち消した事例。 二段階構造が誤判断の伝播を防いだ。

未解決の課題:

  • 「内容確認」と「書き出し許可」の境界が運用上曖昧になる場面が継続発生
  • 二段階トークンの構造的分離が未実装 (改善検討中)

成熟度: 68% (承認手順は確定済み。ただし運用上の新種の違反が継続発生)

運用 (Operation)

日次・週次の AI 運用は、明文化された規律に従って実行する。

秋葉電算では以下の規律を採用している。

  • 承認は二段階で行う (内容確認 → 書き出し許可)
  • 重要な操作はすべて事前に指示者が承認する
  • AI が自己検証を行ってから出力を確定する
  • 三層 (AI 実装者・人・補助 AI) が互いの誤判断を相互に検査する

これらは慣習ではなく、明文化された規律として運用される。規律が明文化されていなければ、 AI の出力品質はセッションごとにばらつき、長期運用は成立しない。

実証された事例:

  • 「朱が印鑑に到達した日」(研究記録 OBS-001): 設計意図が実装を経て、観察者の感受として到達した三層共鳴の事例。
  • 「三層が互いの誤判断を打ち消した」(研究記録 OBS-005): 三層の相互検査が実際に機能した運用例。

未解決の課題:

  • 長時間セッションでの規律の drift を自己検知する機構が未整備
  • 補助 AI (Claude.ai 等) の正式な役割定義が未文書化

成熟度: 55% (実装は機能するが、長時間運用での drift と役割境界の規範化が課題)

継承 (Continuity)

セッションは有限である。AI の文脈には上限があり、一定の長さを超えると圧縮や 切り捨てが発生する。この制約のもとで、長期にわたる研究運用を成立させるには、 明示的な継承の仕組みが必要である。

秋葉電算では以下を継承の仕組みとして運用している。

  • すべての変更を git に記録し、論理単位ごとに確定記録を分ける
  • 観察と事故を観察記録に保存し、後で参照可能な形で残す
  • 次のセッション開始時に、前回までの状態を再構築できる構造を維持する

実証された事例:

  • 直接的な「成功事例」として記録された観察は現時点で存在しない。 ただし「構築期間が記録されていなかった」(研究記録 INC-016) の発見と解決は、継承の仕組みが初めて確立された事例にあたる。 観察として記録する機会は次に来る。

未解決の課題:

  • 段階完了時の作業記録の永続化が未制度化
  • 段階ごとの確定記録 (commit) の運用規律が未明文化

継承が機能しなければ、研究は毎回ゼロから始まる。逆に継承が明確であれば、 セッションが切り替わっても研究は連続する。

研究の検査を価値とする以上、自分自身の記録も対象になる。記録する対象に、 記録する側自身を含めないと、研究は成立しない。

成熟度: 50% (概念は確立。実装は半分、効果は限定的)


四つの段は、それぞれ独立した仕組みではなく、互いに依存して機能する。 前提整理が統合を可能にし、統合が運用を可能にし、運用が継承を可能にする。 そして継承が、次のセッションの前提整理に接続する。

この循環を維持することが、秋葉電算の運用設計である。

各段の完成度はまだ不均一であり、研究は進行中である。 進行の状況は、随時更新する。

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